株式会社からくさホテルズ様インタビュー


不動産マネジメントを手掛けるザイマックスグループ傘下の株式会社からくさホテルズは、観光客にとって魅力的な宿泊特化型ホテルを運営しています。
札幌1、東京3、大阪2の主要都市6か所に展開。※2025年3月インタビュー時
大阪に所在する「からくさホテル大阪なんば」と「からくさホテルグランデ新大阪タワー」では、プラスチック削減による環境保全の取り組みとして、浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」を導入しました。
今回は、からくさホテル大阪なんばの支配人 成松様と、からくさホテルグランデ新大阪タワーの支配人 田中様に、この取り組みに込める想いや今後の展望についてお話を伺いました。
からくさホテル大阪なんばの特徴を教えてください。

全国に6ホテルを展開するからくさホテルズは、観光客の皆様にとっての快適さと利便性を追求したホテルとして国際空港・ターミナル駅近くや観光都市に位置し、平均 20 ㎡以上のツインルームを軸に、ファミリーやグループ利用に最適なコネクティングルームを全体の約 5 割設けているのが特徴です。
さらに、全館無料 Wi-Fi や、各室のバスルーム、洗面所、トイレを独立させるなど、観光客向け機能・サービスが充実したホテルです。
からくさホテル大阪なんばは、観光客で賑わう道頓堀や心斎橋筋商店街まで徒歩5分圏内と、大阪らしさを満喫でき、グルメ、ショッピングに最適なロケーションです。
また、梅田や新大阪駅へもアクセスが良く、京都・奈良や神戸観光の拠点としても大変便利であるため、インバウンドの観光客を中心に高い人気を誇っています。

からくさホテルグランデ新大阪タワーの特徴についても教えていただけますでしょうか。

からくさホテルグランデ新大阪タワーは、その名「グランデ」が示す通り、客室数396室の大規模ホテルです。
新幹線や各種在来線、地下鉄御堂筋線が乗り入れる新大阪駅から徒歩約5分と至近にあり、周辺には高速バス乗り場も多数あります。府内のみならず、京都や奈良、金沢、広島など、大阪を拠点として東西ならびに北陸、南紀へのご旅行に最適な西日本周遊の中心地に位置するホテルです。
客室数が多いため、団体のお客様のご滞在も多く、また、海外からのお客様には当ホテルを拠点に日帰りで広島の原爆ドームや宮島に足を運ばれる方もいらっしゃいます。
遠出して疲れた体を癒していただけるよう、大浴場、サウナなどのホテル内施設も充実させています。

ウォータースタンドを設置してからどのくらい使い捨てプラスチックボトル(以下、プラボトル)は削減されましたか。

2024年9月1日から5階と9階のエレベーターホールに「ウォータースタンド」を設置しました。設置から半年で約45,000本のプラボトル削減効果がありました。
インバウンドのお客様の水筒保有率は高く、マイボトルに給水いただいているほか、お部屋に設置しているカラフェもご不便なくご利用いただいております。
ボトル入り飲料水をもう一度客室に設置してほしいという声はなく、お客様の環境への配慮に対するご理解の高さを実感しています。


からくさホテルグランデ新大阪タワーでは、2025年3月11日に5階から24階の各階エレベーターホールに「ウォータースタンド」を設置しました。
当ホテルでは「ウォータースタンド」に関するご説明と共にカラフェとマグカップを客室に設置し、20日間で約18,000本のプラボトル削減に繋がりました。単純計算で年間33万本の削減効果が見込まれます。
ヨーロッパ圏など環境への意識が特に高い地域から来日されるお客様は、滞在するホテルを選ぶ段階からサステナビリティに配慮しているホテルを選びたいというニーズをお持ちのようで、ボトル飲料を再び設置して欲しいといったお客様からのご要望はほとんどありません。
なお、上述の通り当ホテルは大規模ホテルで団体のお客様のご滞在もあるため、「ウォータースタンド」設置よりかなり早期にご予約を承っていたお客様にはご不便をおかけしないよう、ボトル飲料のご提供について臨機応変に対応する予定です。

からくさホテル様のホームページを拝見すると、プラスチック製品の消費削減への取り組みの成果を公表されています。
いつ頃から環境保全やサステナビリティを意識したお取り組みをされていらっしゃいましたか?
また、始められたきっかけがあればご教示ください。

ザイマックスグループは、ビルメンテナンスサービスを軸とした総合不動産サービスプロバイダーであるザイマックスをはじめ、清掃、リネンサプライなど、ホテル運営に欠かせない多様な機能を有する点を強みとしています。
グループ内でエネルギーマネジメントに関する知見やノウハウを共有している背景から、からくさホテルも1号店開業(2016年)以来、ザイマックスグループ各社と協働しながら環境保全を意識した取り組みを行っています。
これまでの取り組みは2023年6月からサステナビリティサイト「未来のためにできること」で公開し、現在は5言語で展開しています。
多くの方が訪れ滞在されるホテルには、プラスチック削減のモデルケースとなる意義があると考えています。
からくさホテルズでは、お客様のニーズの変化に柔軟に対応するため、各ホテルが個別に環境負荷軽減につながる取り組みをスタートすることもあれば全ホテルで同時に着手することもあります。
からくさホテルではゲストの方とご一緒にプラゴミ削減、CO2削減に取り組んでいますが、ウォータースタンド設置の際の背景などもお聞かせいただけますか。

ホテル業界では、コロナ禍の前後でお客様の求めるものが大きく変化しました。
中でも、環境保全の取り組みが進む諸外国から来日されるお客様は、日本らしい高い水準のおもてなしを期待されると同時に、脱プラスチックをはじめとする環境にやさしい旅が望ましいと考えています。
インバウンドのお客様が多い当ホテルでも備品やアメニティにおいて使い捨てのものを見直すなかで、ボトル飲料を当たり前と捉えず、おもてなしの質を維持しながらプラボトルを削減できないか、前向きに検討しました。
特にホテルは多様な文化的背景を持つお客様をお迎えするため、水道水をそのまま飲用する文化の無い国から来られるゲストへの配慮が必要です。
「ウォータースタンド」は浄水型で環境負荷が低く、プラボトル削減につながるほか、使用時のユーザビリティの高さからお客様が安心してお水をご利用いただける点を評価し、導入に至りました。
導入にあたっては、より本質的なサービスにマンパワーを集中できるか、サービスの生産性向上につながるかについても検討しました。
「ウォータースタンド」は水道直結であるため、導入後も追加的作業が発生することはなく、ボトル納品後の各階への振り分けやボトルの補充などのハウスキーピング業務の軽減、十分な在庫を確保しなければならない館内スペースの解消、清掃業務の効率化も実現できました。

からくさホテルグランデ新大阪タワーでも、からくさホテル大阪なんばの事例を参照しました。
当ホテルに滞在されるお客様は1日800名~900名に上ることから、操作の分かりやすさ、シンプルさを追求し各種ウォーターサーバーの比較検討をいたしました。
インバウンドのお客様はあまり冷たいお水を召し上がらないという、これまで客室にボトル飲料水を設置していた際の知見も活用した結果、「ウォータースタンド」の常温水のみをご提供する機種を選択しました。

今、サステナブルなホテルステイを選ばれる方も多くなっているとお聞きします。
使い捨てプラスチック消費量の削減や、サステナビリティに配慮していることに対するお客様からの声があればお伺いしたいです。

サービスのあり方の変化を短期的視点でみると、サービスの低下と感じられる可能性があります。
しかし、ホテルは中長期的な観点で環境負荷軽減にしっかり向き合って取り組み、その目的とプロセスをお客様に説明しご理解いただく責任があると考えています。
お客様から直接お言葉をいただくことは少ないですが、環境への配慮に取り組んでいるホテルをお客様が選ばれる傾向は強まっている実感があります。
参考までに、昨年夏に実施したお客様アンケートでの「当ホテルでは地球環境に配慮した清掃に取り組んでおります。この取り組みについてどう思われますか?」の問いに対して、72.8%が「とても良い取り組みだと思う」と回答されています。

これまでのお取り組みに加えて、これからやっていかれたいことと、「変えていくもの」と「変えないもの」をお聞かせいただけますでしょうか。

からくさホテルのブランドロゴにあしらわれた唐草文様は「成長」と「繁栄」そして「絆」の象徴です。「からくさホテル」はその名のように、世代を超えて愛されるホテルを目指しています。
お客様、スタッフ、そしてからくさホテルと一体となってホテル運営を推進するザイマックスグループとともに取り組む姿勢は変わりません。
一方、環境保全にまつわるテクノロジーや、持続可能な雇用・労働環境は日々進化、変化していきますので、変化していく社会の課題に呼応してまいります。

関連サイト
ウォータースタンド株式会社の企業連携
ウォータースタンド株式会社は、浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」のレンタル事業を通して、環境問題への貢献と多様な企業との連携による、持続可能な社会の実現を目指しています。

ウォータースタンドが取り組む企業連携の重要性
環境問題への貢献
水道水利用によるプラスチックボトルの使用量の削減し、運搬や廃棄に伴う環境負荷を軽減します。
CO2排出量削減
従来のペットボトル利用と比べてCO2排出量を大幅に削減し、企業の環境負荷低減に貢献します。
SDGsへの貢献
環境負荷を抑えたウォータースタンドを設置することは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」などに貢献します。
