株式会社クラブメッド様インタビュー


オールインクルーシブ・リゾートのパイオニアとして知られるクラブメッドは、1950年にヨーロッパで誕生しました。創業時から人々のつながりや自然との調和をテーマに、持続可能な観光を目指し、70年以上にわたり、その精神は『Happy to Care』プログラムによって具現化されています。
『Happy to Care』の活動の一つ、「バイバイプラスチック」プログラムは、レストランや客室のワンウェイ(使い捨て)プラスチックを排除することからスタートしました。
同プログラムの一環として、2023年12月に開業したキロロ グランドの266室ある客室に浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」(機種名:ナノシリーズ メイト)が2024/25ウィンターシーズンに設置されました。
こうした環境への取り組みについて、代表取締役社長(日本/韓国)のマーク・ルトゥールノ様にお話しをお聞きしました。
『Happy to Care』の活動の一つ、「バイバイプラスチック」プログラムとはどのようなものですか。
クラブメッドはフランス・パリに本社を置き、オールインクルーシブ・リゾートのパイオニアとして、世界25か国・約70のリゾートを保有し、日本では石垣島と北海道に5施設を展開しています。
70年以上にわたり、サステナビリティはクラブメッドのDNAの一部です。
クラブメッドは、持続可能な観光の実現に向けて、プラスチック削減をはじめとする環境負荷の低減に取り組むとともに、クラブメッドを展開する地域のローカルコミュニティやクラブメッドで働く人々に対して、よりポジティブで意義深い影響を与えることを目指し、『Happy to Care』プログラムを実施しています。
同プログラムは、責任あるリゾート運営と建設、脱プラや食品廃棄物の削減などサステナブルな滞在の提供、ポジティブな影響を社会にもたらす活動などの三つの柱に分類されています。
その活動の一つである『バイバイプラスチック』プログラムは、2019年にスタートしました。
まずは飲食部門のストローやテイクアウト容器などの廃止から始め、使い捨てプラスチック製アメニティを木製の物やリサイクル可能な物に変更し、シャンプーなども使い捨てのミニボトルから詰め替えのできる大きなボトルに交換してきました。
そして、次のステップとして日本のリゾートにおいて大きな課題となったのが、客室に提供する水のペットボトルでした。そんななかで出会ったのが、浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」でした。

「ウォータースタンド」をご導入頂いた理由をお聞かせ下さい。
日本の水道水はきれいで飲用可能なことを私たちは理解していますが、クラブメッド・リゾートには世界各国からお客様がいらっしゃいます。
お客様と一緒にワンウェイプラボトル削減に取り組むために「ウォータースタンド」を客室に設置することで、水道水をそのまま飲用する文化のない国から来られるお客様にもストレスなく、環境に配慮した行動変容が可能になると考えました。
「ウォータースタンド」はレンタルによるシンプルなサービス体系であるため、継続的なパートナーとして一緒に取組を進めていけると判断しました。
2024年11月の「ウォータースタンド」導入以降、1シーズンで5万本のワンウェイプラボトルが削減できました。
リサイクルコストの削減だけでなく、飲み残しのお水の廃棄がなくなり節水にもつながるほか、ボトルを運搬する際の燃料消費やCO2排出なども削減することが可能となりました。

「ウォータースタンド」をご導入頂くにあたり、どのような点を重視されていましたか。
キロロ グランドは、もともと存在していた施設をクラブメッドが2023年12月にフルリノベーションして新しくオープンしたリゾートです。
エレガントにアップグレードされた施設であり、私たちはお客様の高い期待に応えると同時にワンウェイプラボトル消費の習慣を変えたいと思い、「ウォータースタンド」の設置場所は慎重に検討しました。
共有エリアにウォーターサーバーを設置した場合、お客様が水を取りに行く手間が生じ、ワンウェイプラボトルを完全に減らすのは難しいと判断し、全客室に「ウォータースタンド」を設置することで、お客様がくつろぎながらお部屋のグラスでお水を飲んでいただけるようにと考えました。

一般的なウォーターサーバーはサイズが大きいという認識もありましたが、「ウォータースタンド」は大変コンパクトでインテリアを邪魔しないエレガントなデザインであること、水道からの直結作業による設備へのダメージもない点も高く評価しています。
「ウォータースタンド」は高性能フィルターを通した高い水質のお水を提供できます。電力を使用しないため、お子さんがいるご家族にも安心な操作性についても「ウォータースタンド」を選んだ理由です。
「ウォータースタンド」導入についてお客様からはどのような反響がありましたか。
お客様の環境への意識は高まりつつあり、「ウォータースタンド」を活用したワンウェイプラボトル削減の取組にはポジティブな反応を頂いています。
サービスの面でもボトルの補充やデリバリー依頼などハウスキーピングの作業が15%ほど削減でき、お客様にとってより重要なサービスに注力できるようになりました。
クラブメッド・リゾートでの、サステナブルツーリズム実現に向けたお客様との取組についてもお聞かせ下さい。
『Happy to Care』プログラムは、クラブメッド財団を通じ地域の児童養護施設のこども達をリゾートに招待したり、地産地消の食材を活用したりといった、地域コミュニティと協業し価値を創出する取組でもあります。
キロロ グランドの所在する北海道はフレッシュな食材を使用できる恵まれた場所です。
旅のだいご味であるグルメを楽しんで頂くと同時に、リゾート運営における責務として食品ロス削減や食材の輸送コストという目に見えないムダの削減にも取り組んでいます。

なおキロロ グランドでは、サステナブルな旅行を推進するためにホテルや会社に与えられる国際認証「グリーングローブ認証」の認証審査が2025年3月にスタートします。同認証基準には水のマネジメントも含まれています。
客室タオルの交換不要や、アメニティにおける使い捨てプラスチック削減や節水など、これまでのお客様との取組をより一層推進して参ります。
マークさんはカナダご出身で雪山を愛するスキーヤーでもいらっしゃいます。世界中のスノーリゾートを訪れていらっしゃると思いますが、環境への取組について日本の進捗をどのように感じていらっしゃいますか。

ホテルが提供するおもてなしはゲストに向けたメッセージであり、私個人にとっても、旅先で客室にボトル飲料が置かれていないことは重要です。
リゾートの価値は、日常と異なる場所でお客様に新たな気づきを得て頂くことにもあると思います。
キロロ グランドでは韓国のアウトドア&ギアのブランド「NATIONAL GEOGRAPHIC Apparel」とコラボし、2024年の夏に「キロロ グランド ネイチャークエスト」を実施しました。
北海道キロロの雄大な自然との触れ合いや、環境保護に貢献するプラスチック廃棄物のアップサイクルワークショップを通じて、お子様に忘れられない体験の場を提供することができました。

ホテル業界全体で環境負荷低減に向けた更なる取組が可能であると感じていますし、クラブメッドの取組が日本人のお客様の気づきや具体的な行動変容への良いきっかけとなれば幸いです。

クラブメッド ホームページ
ウォータースタンド株式会社の企業連携
ウォータースタンド株式会社は、浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」のレンタル事業を通して、環境問題への貢献と多様な企業との連携による、持続可能な社会の実現を目指しています。

ウォータースタンドが取り組む企業連携の重要性
環境問題への貢献
水道水利用によるプラスチックボトルの使用量の削減し、運搬や廃棄に伴う環境負荷を軽減します。
CO2排出量削減
従来のペットボトル利用と比べてCO2排出量を大幅に削減し、企業の環境負荷低減に貢献します。
SDGsへの貢献
環境負荷を抑えたウォータースタンドを設置することは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」などに貢献します。
