茨城大学様×茨城トヨタ自動車株式会社様 インタビュー(対談)
茨城トヨタ自動車株式会社 矢代様、助川様
この度、全国で初めて「大学への給水スポット設置」における産学三者連携が実現しました。
茨城トヨタ自動車株式会社様(以下、「茨城トヨタ」)のご支援により、茨城大学様(以下、茨城大学)に、マイボトル用給水機として「ウォータースタンド」が4台設置されました。※2025年10月現在
大学、企業が共創する使い捨てプラスチックボトル削減の取り組みについて、両者にお話しを伺いました。
ブロジェクトの背景と学生への反響
まず、茨城トヨタ様がこの取り組みを始められたきっかけと、地域の大学である茨城大学様と連携された経緯をお聞かせください。
茨城トヨタ:使い捨てプラスチックボトルを削減する取り組みは、茨城トヨタ内にマイボトル用給水機を設置したことから始まりました。社内に「ウォータースタンド」を設置し、従業員にマイボトルを配布したところ、それまでボトル入り飲料を購入していた従業員も「水がおいしい」とマイボトルへ給水するようになりました。その様子を見て、マイボトル用給水機の設置は行動変容を促すハードルが低く、マイボトルを使えば使い捨てプラスチックボトルも確実に減ることから、身近なSDGsの取り組みとして有効だと感じました。
また、茨城トヨタは地域に根差した企業として、常に地域と連携し貢献したいと考えてきました。この取り組みを茨城トヨタ内だけでなく、地域の大学にも拡大し、茨城大学の学生の皆さんに喜んでいただきたいと考えました。
「ウォータースタンド」設置まで、茨城大学と茨城トヨタ、そしてウォータースタンド(株)石岡営業所とどのように理念を実現できるかディスカッションし、産学三者連携が実現しました。
茨城大学様では、学生の皆様の反応はいかがでしょうか。
茨城大学:茨城トヨタが設置されたマイボトル用給水機は、学生に非常に好評を得ています。特に今夏は猛暑日が続いたこともあり、熱中症対策に欠かせない水分補給に役に立ちました。
茨城大学では、当連携プロジェクト以前から体育館に「ウォータースタンド」が設置されていましたが、新たに設置された給水機は各学部棟のエントランスに近い場所やラウンジに設置されています。茨城大学としても、学生生活の質を向上する環境整備に積極的に取り組んでいます。マイボトルを携帯する学生が増加したことは今回の取り組みが狙い通りであったと言えると思います。
ラッピングによる新しいコミュニケーション
マイボトル給水機にラッピングを施し、企業のメッセージを学生様に伝えるというのはこれまでにない新しいコミュニケーションです。インターネットやSNSをはじめとするさまざまなPR方法があるなかで、今回のコミュニケーション方法についてのお考えをお聞かせ下さい。
茨城トヨタ:学生の方達は日々多くの情報に触れていらっしゃいます。インターネットやSNSなどのコミュニケーションは、日常的に多くの情報に触れている方に、アクションを起こして見にきていただくタイプのコミュニケーションです。
一方、今回のコミュニケーションはマイボトルに給水するという日常のワンシーンの中で茨城トヨタの理念やメッセージに触れていただけます。
茨城トヨタは「地域貢献」のほかにもう一つ、「持続可能」をCSRのテーマに掲げています。マイボトルへの給水は、今この瞬間の水分補給にお役立ていただけるだけでなく、学生の皆さんの将来の環境を持続可能なものにすることにも役立ちます。
構内に設置されている「ウォータースタンド」には「茨城大学のみなさまのこれからを茨城トヨタが支えます」というメッセージが書かれています。
給水環境をはじめ、企業はインフラや仕組みを構築し、地域の方と新たな気づきを共有したりライフスタイル転換を図ったりして、新たな価値を創出する責任があります。今回のコミュニケーションは、学生の皆さんと新たな価値を共創する第一歩を一緒に踏み出す良いきっかけになったと感じています。
「ウォータースタンド」には茨城トヨタの従業員の方たちの生き生きと働く様子を描いたラッピングが施され、ポスターなどでマイボトル利用を呼びかけています。
茨城大学:大学を卒業したら就職し、皆が同じような年齢で同じようなライフイベントを経験していたかつての時代から、近年は価値観や生き方の多様化が顕著となっています。茨城大学では、学生の学びや生活における充実感や達成感を示す「スチューデントサクセス(Student Success)」を重視し、学修者本位の教育・学生支援に取り組んでいます。
一人ひとりの学生が、自分は何をしたいのか、何になりたいのかという考えを深め、その目標へと向かうための道筋と手応えを得られるよう、茨城大学では学内外での学びの機会を編成してきていますが、マイボトルに給水している間に、茨城トヨタで働く人の様子や理念に自然に触れられる今回のコミュニケーションは、これまでにない試みとして、学生への将来の選択肢の提示の一助にもつながると感じています。
今後の展望
今回の産学三者連携をきっかけに、今後はどのような企業と大学との共創が可能でしょうか。取り組んでいかれたい分野や取り組みがあればお聞かせ下さい。
茨城トヨタ:近年当社では、地域との連携において多様なステークホルダーの皆さんと「一緒にできること」を模索していきたいと考える従業員が増えています。
これまでも長い間、茨城大学の文化祭やイベントなどをご支援して参りましたが、今後はフランクに意見交換し、学生の皆さんの考えを後押しするような形で協力していきたいと考えています。
今回マイボトルに給水できる環境が整備されましたので、これからは毎年マイボトルデザインをコンテスト形式で公募、制作するといった形で持続的な取り組みとなる支援ができればと考えています。
茨城大学:2021年3月、茨城大学は「イバダイ・ビジョン2030」を策定しました。当ビジョンは、自律的でレジリエントな地域が基盤となる持続可能な社会の実現を目指し、果たすべき3つの役割と4つのビジョン、そして12のアクションをまとめたものです。今回の茨城トヨタさん、ウォータースタンドさんとの産学三者連携は、この「イバダイ・ビジョン2030」に沿った取り組みと考えています。
今後も、企業や地域と連携してマイボトルに給水できるスポットを増やすなど、今回の産学三者連携をさらに拡大していきたいと考えています。さまざまなアイデアでご協力・ご支援を賜れば幸いです。
- 茨城大学
- 茨城大学地球・地域環境共創機構(GLEC)
- 茨城トヨタ
- ウォータースタンドボトルフリープロジェクト
ウォータースタンド株式会社の企業連携
ウォータースタンド株式会社は、浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」のレンタル事業を通して、環境問題への貢献と多様な企業との連携による、持続可能な社会の実現を目指しています。
ウォータースタンドが取り組む企業連携の重要性
環境問題への貢献
水道水利用によるプラスチックボトルの使用量の削減し、運搬や廃棄に伴う環境負荷を軽減します。
CO2排出量削減
従来のペットボトル利用と比べてCO2排出量を大幅に削減し、企業の環境負荷低減に貢献します。
SDGsへの貢献
環境負荷を抑えたウォータースタンドを設置することは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」などに貢献します。