ノーガホテル 清水 京都 様インタビュー


ノーガホテル清水京都様は、2025年9月に電力を使用しない「ウォータースタンドメイト2」(以下、ウォータースタンド)を全客室に導入されました。
この度、総支配人の大川様にお話をお伺いしました。
ノーガホテル清水京都はどんなホテルですか?
野村不動産ホテルズが運営する「ノーガホテル」は、「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」をコンセプトに、『音楽・アート・食』を軸とした体験価値を、客室内外で提供しているライフスタイルホテルブランドです。
例えば、ノーガホテル秋葉原では、eスポーツを体験できる客室があったり、ノーガホテル上野では東京国立博物館とのコラボレーションによる茶会を行っていたり、地域の特性を生かしたユニークな企画を展開しています。
そして、ノーガホテル清水京都(以下、当ホテル)では、アートや音楽体験に加え瞑想や茶道といった京都ならではの文化体験をお客様に提供することに重きを置いています。
特に「メディテーションルーム」は唯一無二の施設で自分自身に向き合う静かな時間がある一方、ルーフトップバーでは様々な国や地域から来られた方が集い、語り合う一期一会の出会いが日々繰り返されています。


今春開業3周年を迎えたことを機に、ホテルの世界観をより深く伝えるべく、「Recreating KYOTO ― 型破りな京都に出逢う。」というテーマを打ち出し、おもてなしのあり方も原点に回帰しました。
「伝統」や「格式」というイメージと共に想起されやすい京都という街は、実は多様な文化を取り入れ自ら変化し、新たな価値・文化を自ら創造していくという側面があります。
多くの神社仏閣が建立され、腕利きの職人たちが、文化を生み、型を破り、進化させてきた場所でもあります。
当ホテルは、伝統や先人の想いを受け継ぎながら、ここで生きる人、訪れる人と共に、予想外の魅力を引き出し、新たな息吹を与える、ここでしか出逢えない京都にいざないます。
数あるウォーターサーバーから、ウォータースタンドをお選びいただいた理由がありましたらお聞かせ下さい。
ウォータースタンドを導入した背景は、コンパクトさに加え、シンプルで上質なデザインと機能性が当ホテルの美意識に合致していたため、客室のインテリアに自然に溶け込むと思ったからです。また、メンテナンス性や安全性にも優れており、お客様にも安心してご利用いただけると確信しました。


いつ頃からプラスチックボトル削減を意識されるようになりましたか。
当ホテルのお客様は約8割がインバウンドのお客様で、欧米の割合が多く、お客様アンケートでも「ホテルを選んだ理由」や「宿泊して良かったこと」に環境に配慮した取り組みを挙げる方が多いことから、かねてよりサステナブルな旅に対するお客様の関心と需要の高まりを強く感じておりました。
環境配慮の取り組みについて「何かできないか?」ということを常々考えていたなかで、2023年のBooking.comのトラベルレポートを拝見し、実際に、旅行者の78%が環境に配慮した宿泊施設を選びたいと回答していると知ったことで、よりその思いが強まりました。

今後もサステナビリティはホテル選びにおいて“must”ではなくても“better”な条件であり続けると確信し、具体的な行動を起こすきっかけとなりました。
これまでも客室アメニティバーの設置によるプラスチック製アメニティの削減などに取り組んでいましたが、独自の取り組みを模索するなかでウォータースタンドを知りました。これを全客室に設置しお客様が滞在中いつでも安心して水が飲める環境を整えることで、お客様の利便性向上とプラスチックボトルの廃棄を削減できるのではないかと考えました。
お客様の反応はいかがでしょうか。
当ホテルをご利用くださるお客様の価値観は多様ですが、環境配慮に対する意識は確実に高まっていると感じています。お客様の多くはマイボトルを持参されており、「旅の中でも環境に配慮した選択をしたい」という姿勢を強く示されています。
今回、客室にウォータースタンドを導入したことに対しても、ネガティブなご意見をいただいたことは一度もなく、むしろ「未来志向のサステナブルな取り組み」として共感いただいております。

ホテルは非日常な旅の中で新しい気づきを提供する役割もあると思います。環境保護の取り組みを通じてお客様にどのような価値を提供されていますか。
我々はライフスタイルホテルとして、お客様が新たな気づきを得て、それぞれの暮らしをより豊かにするきっかけをお持ち帰りいただける場でありたいと考えています。
プラスチックボトルを使わない仕組みを体験いただくことで、「こうした選択が自分の暮らしにも取り入れられるかもしれない」という前向きな気づきにつながれば嬉しいです。
ウォータースタンド設置により業務の省力化が図られることで、新たに注力されたい分野についてお聞かせ下さい。
当ホテルは、人と人とのつながりを大切にしたおもてなしを重視しています。ホテル業界は今、人手不足に悩み、これまでの業務をデジタル化・自動化によって見直す動きが顕著となっています。
そういったデジタル化・自動化を進めながらも、我々は「あの人がいるから泊まりたい」と言っていただけるホテルを目指しています。自動化によって生まれた時間を、客室の室礼(しつらい)のクオリティ向上やお客様満足度を高めるアイデア創出などに投資し、人でないとできない、温かな心の通うおもてなしを提供するホテルとしてあり続けたいと願っています。

京都は世界的に人気のある観光地で、オーバーツーリズムの課題を見過ごすことはできません。持続可能なホテル運営とは、「ホテルのお客様」にとどまらず「この街を訪れるお客様」、地元にお住まいの方を含めてお迎えしているという意識で成り立つものです。
近年、京都では少子化の影響により、地域のお祭りの担い手が減少しています。業務の効率化が進めば、ホテルスタッフがそれらのお祭りに参加し、文化の継承に貢献することも可能になるかと思います。

当ホテルが所在する地域において、地元住民の方々が直面する課題の解決に取り組むことは、オーバーツーリズムによる地域の負担感を軽減する一助となると考えています。
地域との関わりを深めることで、観光と共生する持続可能な社会の実現にも寄与できるのではないでしょうか。

ノーガホテル清水京都が所在する京都の東山は、平安時代より「この世」と「あの世」との狭間と言われてきたそうですね。「この世」と「あの世」とは、「見える」ものと「見えない」ものとも言えます。
ノーガホテル清水京都が考えるサステナブルとは、どのようなものでしょうか。
当ホテルの設備の随所には、ランプやティッシュケースに金継ぎを施し、アートのように楽しんで頂くという工夫をしています。
金継ぎや西陣織などは、職人の高齢化などで失われつつある大切な伝統技術です。

当ホテルに宿泊いただくお客様には、滞在を通じてこうした伝統技術を「見て」、リアルに触れていただくと同時に、当ホテルがこれらの伝統技術を設備に取り入れることは、文化の継承という「見えない」ものへの貢献につながります。
形あるものが壊れてしまうことは仕方のないことですが、金継ぎという技術によって、ホテルは年を経るごとに味わい深く、よりよく変化していきます。
こうした姿勢が、当ホテルにとってのサステナビリティと考えます。


全客室にウォータースタンドを導入したことによって、年間で約95,000本※のワンウェイプラスチックボトル削減の実現を見込んでいます。これは地域や地球環境に対する目に「見える」具体的な貢献になります。
※ノーガホテル清水京都の2024年9月~2025年8月までの1年間のペットボトル消費量
未来の環境は「見えない」ものですが、地球に暮らす誰もが影響を受けうるものです。環境への配慮はホテルが自己満足で行うものではなく、お客様にとっても「心の豊かさ」につながる体験になるのではないでしょうか。

旅は旅行者だけでなく、彼らをその土地でお迎えする地域の方々にとっても、誰かの未来を豊かにするものと考えます。当ホテルは地域のハブとして、一人ひとりが“ペイフォワード”の精神で小さな善意を積み重ね、未来志向のサステナブル・ツーリズムへの小さな一歩をアシストする、持続可能なホテル運営に取り組んでまいります。
ノーガホテル 清水 京都
ウォータースタンド株式会社の企業連携
ウォータースタンド株式会社は、浄水型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」のレンタル事業を通して、環境問題への貢献と多様な企業との連携による、持続可能な社会の実現を目指しています。

ウォータースタンドが取り組む企業連携の重要性
環境問題への貢献
水道水利用によるプラスチックボトルの使用量の削減し、運搬や廃棄に伴う環境負荷を軽減します。
CO2排出量削減
従来のペットボトル利用と比べてCO2排出量を大幅に削減し、企業の環境負荷低減に貢献します。
SDGsへの貢献
環境負荷を抑えたウォータースタンドを設置することは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」などに貢献します。
